ウォール街のランダム・ウォーカー 【書評・まとめ】
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/07/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
株式投資の絶対的定番書
株式投資に挑戦しようと考えているけれども、何を買うべきか悩んでいる人はいませんか?
この本は株式投資について調べると必ず名前が挙がる、1970年から版を重ね続けてきた定番書であり、そんな疑問の一つの答えが書かれています。
これから株式投資をしてみようと考えている人、特にインデックス投資に興味がある人は必読の一冊です。
ひたすらインデックスファンドに投資すべき
著者のバートン・マルキール氏は、資産運用のプロとしての実務経験、エコノミストとしての研究成果、さらには個人投資家としての経験をもとに、ひたすらインデックスファンドに投資して待っているのが良いと結論づけています。
彼によれば、個人投資家は個別の株式を頻繁に売買したり、プロの投資家が積極的に運用する投資信託に投資する必要はないのです。
株式市場のランダムウォーク
ランダム・ウォークというのは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味する言葉である。これを株式市場に当てはめると、株価が短期的にどの方向に変化するかを予測するのは、難しいということだ。
将来の株価を予測することは大変難しいものですが、なんとかして予測しようとするプロの投資家のアプローチは主に二つあります。 テクニカル分析とファンダメンタル分析です。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、一言で言えば株価のチャートを解釈することです。例えば、株価の上昇トレンドや一定の株価を下回るような弱気のシグナルを読み取って株を売買します。
株価のチャートには、他の投資家の過去の行動が現れます。それを読み取ることができれば投資ゲームに勝つことができるという考え方です。
ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析は、企業の財務諸表などから、将来の利益や配当を予測することです。すなわち、企業の本質的な価値を推定し、現在の株価がその価値よりも小さければ買い、大きければ売りと判断します。
プロの投資家の成績表
では、これらのテクニックを利用して積極的に投資を行ったプロの投資家の成績はどれほどなのでしょうか?
確かに短期的に見れば、市場の平均よりも高いリターンを得られたファンドも多く存在します。しかしながら長期的に市場の平均に勝ち続けるのは至難の技です。
本書で述べられているデータによれば、1970年に存在した株式ファンド358本のうち、2013年までに存在し続けることができた優秀なファンドはわずか84本に過ぎません。そのうち平均リターンが市場平均を2%以上上回ったものは片手で数えられるほどしか無いのです。
インデックス投資
それではどのようにウォール街を歩けば良いのでしょうか。
その一つのアプローチは、S&P500のような指数と同じ動きをするようなインデックスファンドを買うことです。インデックスファンドは手数料が非常に安く、積極的に運用されるファンドの平均よりも一貫して高いリターンを上げています。
本書では、インデックス投資を軸として年代別の具体的なポートフォリオや投資、財産管理のための戦略についても詳細に述べられています。 この本に書かれたキーワードをスタートとして別の立場から書かれた本を読み進めるのも良いでしょう。
私自身も、この本に影響されて少額ながらインデックス投資を始め、利益を上げています。
訳も分からず株式に投資する前に、一冊の本に投資するのも良いのでは無いでしょうか?
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/07/20
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る